外傷整形外科医とはー外傷患者さんの命と、機能(QOL)を救うスペシャリスト
外傷整形外科医は、骨折や脊椎損傷などの整形外科領域の外傷(けが)を専門的に治療する医師です。
とくに重症外傷を扱う際は、救急の知識と集中治療の視点を取り入れながら機能再建までを見据えて診療に当たります。
こうした外傷患者さんを、術前から術後管理まで一貫して支えるのが外傷整形外科医の役割です。


重症度の高い外傷は、後遺症のリスクも当然高くなります。
そこで「Preventable Trauma Disability(防ぎえた外傷機能障害)」を最小限に抑えるために、急性期からの外傷整形外科医による積極的な治療介入が必要不可欠です。
重症外傷の現場では、生命を救う救命処置と同じくらい、機能を残すための早期介入が重要となります。
たとえば骨盤骨折では、骨盤からの大量出血が患者さんの命に直結します。
こうした場合に、救急と集中治療のノウハウを持つ整形外科医が初療段階から関わることで、出血コントロールと創外固定やガーゼパッキングなどの緊急手術によるバイタルの安定化と不安定な骨盤骨折の安定化を同時に進めることが可能です。
外傷整形外科医だからこそ味わえる“やりがい”


初期診療の段階で救急医と連携しながら迅速な手術を行い、患者さんの生命を守る最前線で活躍できます。
大変な現場ですが、そのぶん患者さんが快方に向かう瞬間の喜びは大きいです。

重症開放骨折や指の再接着など、従来は切断や重い後遺症が前提とされたケースでも、治療技術の進歩によって機能を残すチャンスが生まれました。
命を救った後も、合併症を防ぎつつ、患者さんが可能な限り早期にその人らしく生きていけるような四肢の機能温存にプランを組み立てます。
術後のリハビリ計画にも積極的に関わり、早期離床や社会復帰をサポートすることで、「救命と機能温存の両立」を追求できるのです。

外傷整形外科医は夜間の緊急手術が頻繁に発生するため、チーム制を柔軟に取り入れつつ、ワークライフバランスを意識した勤務体系を意識しています。
少人数が過度な負担を抱えないようメンバーを集約し、迅速かつ質の高い医療を維持できる体制を整備しています。
緊急性の高い手術こそ、持続的なチームづくりが欠かせません。
夜間に急いで骨盤骨折の手術や不全切断の血行再建などを行う場面が少なくないからこそ、持続可能な体制によって、どのタイミングでも高水準の治療を提供できる環境を目指しています。
どうやったら外傷整形外科医になれる?
外傷整形外科医としてのキャリアを積む道はいくつかあります。
たとえば、整形外科医が救急の現場を経験し、そのまま外傷を専門とする道へ進むケース。
あるいは救急をベースに専門医を取得した後に、整形外科の専門医を取得するダブルボードのカリキュラムを選ぶケースもあります。
広島大学病院で外傷整形医を目指しませんか?
広島では救急と整形外科を組み合わせた専門医育成のプログラムが充実しており、
多発外傷に対応できる「二刀流」の実力を身につけることが可能です。
救急×整形外科のダブルボード医師の育成は近年必要性が高まっています。

広島大学では、救急科と整形外科がタッグを組んだ外傷の勉強会を開催しています。
最新の蘇生法や外傷Primary Surveyに必要な手技などを、実技中心のハンズオン形式で学べるセミナーです。
救急医、集中治療医が全面的にバックアップし、参加者が実践的な知識と救急処置の手順を身につけることを目指しています。
外傷診療に関わる医師やコメディカルの方々が一体となり、地域全体で外傷診療レベルを高めていく取り組み。
これが広島に根付きつつある学びの土壌です。
ぜひ広島で、外傷整形外科医を一緒に目指しましょう!
ご質問や見学のお申し込みなど、お気軽にお問い合わせください!