小児集中治療とは-小さな命を守るための専門医療

小児集中治療科とは、生まれて間もない新生児から思春期までの子どもたちを対象に、重症度の高い病態を総合的にケアする診療科です。
大人と比べて身体の仕組みや体重あたりの薬剤量が大きく異なる子どもに対し、成長・発達に合わせた専門的な集中治療を提供する役割を担います。
たとえば敗血症、重篤な呼吸障害、循環不全、重症外傷など、多岐にわたる疾患への対応が必要になります。
さらに小児医療では患者さん本人だけでなく、保護者の方や周囲のサポートも重要。心理的ケアや学習支援などを含む、包括的なサポートが求められる点も特徴のひとつです。
命に直結する重症管理の場面が多いため、迅速な判断力や高度な手技が問われる一方、子どもたちの将来を支えるやりがいも大きい領域なのです。
小児集中治療科の魅力とは?
小さな身体は常にダイナミックに変化しており、薬剤の使い方や人工呼吸管理などは大人とは異なるノウハウが必要です。
そのため、発達段階に応じた知識と全身管理の視点を身につけることができるのは、小児集中治療科の大きな魅力です。

小児科や救急科、あるいは麻酔科など、多岐にわたる領域と連携しながら専門性を高めることができるのも魅力の一つ。
さまざまな分野の医療者とチームを組み、どのように急性期管理を最適化するか、日々模索しながら子どもたちの生命をつなぐ最前線で活躍できます。
広島大学での小児救命・集中治療への取り組み
広島大学病院 高度救命救急センターでは、小児重症患者を専門的にケアするチームを結成しています。
このチームは、医師や看護師をはじめとする多職種が密に連携し、小児の重症患者受け入れ数の増加に対応できる体制を整えています。
大人の救命救急とは異なる小児特有の病態や治療プロセスを共有し、実際の診療に即したシミュレーション研修を定期的に実施。
研修医や看護師をはじめとする若手スタッフの育成にも力を入れており、「救急~ICU管理」を一貫して学べる環境が整備されています。
院内シミュレーション研修の実践
小児救命救急 院内シミュレーション研修
当院の小児重症患者の受け入れ数は増加傾向にあり、実際に対応した症例を元にシミュレーション研修を行っています。
救急車からの搬送や、院内の急変対応など様々なシチュエーションを想定し、よりリアルな環境でトレーニングを実施。
気管挿管や静脈路(骨髄路)の確保、薬剤投与、心臓マッサージ、除細動なども現場さながらに行い、緊張感を保ちながら対応力を磨くことを目指しています。

シミュレーション後には十分なディスカッションと振り返りを行い、チーム全体で改善点を検討。
小児の命を救うためには、緻密な連携と速やかな対応が不可欠です。そのため、研修から日々の診療へのフィードバックを重視しています。
小児科×救急・集中治療に興味がある方へ
広島大学病院では、小児救急・集中治療を含めた専門知識やスキルや学ぶための充実した環境が備わっています。
「子どもが大好き」「小児救急医療の最前線に立ちたい」「将来は重症小児患者の専門家を目指したい」など、
そんな意欲をもった方にとって最適な環境です。ぜひ、一緒に小児集中治療の未来を支えてみませんか?